毎朝、私が通勤する途中に、
見かけていた盲導犬。
交通量の多い交差点で、
いつも彼が信号待ちをしている時間、
私は、
「やっぱり盲導犬は凄いなぁ。
素質があるよねぇ。」
と思いながら、ニコニコと、
その横を車で通過します。
獣医と言えども、
盲導犬を見る事は、
なかなかありません。
それはとても印象的な、
それでいて毎日続く、
不思議な風景でした。
出会いは、突然やってきました。
ある日、そんな盲導犬の彼が、
ひょんな事から
私の患者になりました。
盲導犬の管理は非常に厳しく、
月に一回の健康診断、
爪の確認、足裏の毛刈り、
肛門腺に予防関係に・・・・
とにかく、飼い主さんに
危険が及ばないよう、
完璧な状況下で、
任務がこなせるように、
メンテナンスされています。
もちろん優秀な盲導犬。
爪切りでも自分から
足を差し出すほどで、
全ての診察は、
非常にスムーズに進みます。
ところがある日、
彼の本当の姿を見ることになるのです。
それは、
「正確に体重を測ってみましょうか・・」
と盲導犬の補助器具を、
全て外した時の事でした。
彼は豹変したのです...
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